残り33日
大学を卒業するとき、最後の「試験」が待っている。
卒業生に手渡されるのは白紙の解答用紙。いままで受けてきた試験と同じ、白紙の解答用紙。しかし違ったのは、問題用紙が配られないことだった。解答用紙は何枚使っても構わない。「先生、問題がなければ試験を解くことができません。」確かに問題がなければ解くことはできない。これは、問題が渡されなければ解けない時代はもう終わりを迎えたという合図だった。
社会に出て行く人々は、各々が手に白紙の解答用紙を持っている。自分が解くべき問題を探しながら。あるものは問題が見つからず用紙を破り始めてしまう。あるものは探すことを諦め、ただ与えられたものを用紙に書き込んでいく。あるものは自分の天命だと信じる問題に出会い、人生を捧げ挑んでいく。あるものは...。
人は一生を通して、どのような問題を解いていくべきなのだろう。